旅行中に能登地震を経験して必要だと思ったもの

2024年元旦 能登地震に遭遇

去年の大晦日から2泊3日で七尾市の和倉温泉に宿泊しましたが、元旦に能登地震に遭遇。
短い時間でしたが避難所で生活しました。

あちこちが地割れしていました

その時の話は別途ブログに書こうと思っていましたがなかなか心の整理がつかず…
ただ、少しでも役に立ちたいという思いがあり、取材に答えることはしていますのでよろしければお読みください。

今まで防災について自分なりに考えて備えてはいたつもりでしたが、想像を超える揺れの恐怖と、その後の被害の甚大さに言葉を失いました。

短い避難生活ではありましたしたがその時に持っていて役に立ったと思ったものと、改めて買い直したものなどがあります。
2024/08/08 南海トラフ地震臨時情報が出ましたので、私なりに思ったことをブログに書いておきたいと思います。

旅行先で被災して改めて思ったことなどです。
なにかお役に立てることがあったら幸いです。

想像と違っていたこと

震災への備えに関して思っていたこととリアルな現場では違いがありました。
地域や避難所によって状態や環境が異なっていると思いますが、私がいた避難所で一番困ったのは

でした。

飲み水は個人の備蓄もあったり、避難所に持ち込まれたものもありました。
私のいた避難所は旅館の皆さまが差し入れをたくさんしてくださり、他の避難所に比べて大変恵まれていたのではないかと思います。今でも感謝の気持でいっぱいです。

ただ、生活用水が全く出ませんでした。それはすなわち

ということです。

私は防災の準備として必要なのは食べ物・飲み物を備蓄することと、防災ラジオと懐中電灯を準備しておくことくらいしか考えていませんでした。

食べ物は重要です。特に小さいお子さんがいる方やアレルギーがある方など食べ物に配慮が必要な方は準備はマストです。しかし、極端な話を言うと、食べ物・飲み物は防災用と銘打たずともそれなりに所持している方も多いのと、比較的供給は早めに来る可能性が高いと思います。(道路・海路などの交通手段が分断されてしまった場合は別です)

しかし、壊れたインフラの復旧はかなり困難です。私はインフラのことをあまり意識していませんでした。

私のいた避難所での問題

私は旅館の近くの小学校に避難していたのですが、避難していたのは近隣に宿泊していた旅行者が多かったです。地震の直後、大津波警報が出たため旅館の指示に従って、最低限の荷物だけ持って逃げてきていた人が多かったのと、旅行中ということで災害への備えがありませんでした。

特にみなさんが特に困っていたのは

でした。

私の夫は地震発生時もかなり落ち着いて行動していて、避難するときにリュックに充電用5連ポートのUSBハブを入れていました。更にライトニングケーブル・TypeCなど複数のケーブルを合わせて持参していました。

水は出ませんでしたが、幸いなことに電気は通っていましたので、我々のスマホの充電以外にも、周囲の方々にも声をかけて様々な電子機器の充電をしてもらえました。Anker製の高速充電可能なモデルでしたのでお役に立てたのではないかと思います。

こういうタイプのもの

周囲の方々も慌てていて充電器のことが頭になかったとおっしゃっていました。

また、電源の数は限られていますので、このように複数のポートが有る充電器があるととても便利だと実感しました。

※電気は拝借する形になってしまい、大変申し訳ありませんでした。
お返しする方法もなく、後日七尾市にふるさと納税をさせてもらいました…

後日御礼状が届きました

その場で持っていて良かったもの

私が普段からカバンに入れっぱなしだったもので短い避難生活でとても役に立ったものがいくつもありました。

1:のど飴

私はカンロののど飴が好きで日常的に持ち歩いているのですが、飴を舐めることで乾燥対策だけではなく、心の平安が得られたように思います。
ソフトキャンディーではなく硬いタイプののど飴はとけるのにも時間がかかり口の中で長持ちします。今はのど飴だけではなく様々なタイプの飴を入れて、いざというときに家族や周囲の人にもあげられるようにしています。

2:アームウォーマー

能登地震が発生したのは元旦でとても寒い冬の日でした。
アームウォーマーはコンパクトに持ち運べますが、防寒効果が非常に高いです。
手首付近が温めると寒さがとても和らぐのを実感します

3:ウィンドブレーカー

寒さ対策に1年中コンパクトに畳めるタイプのものを持ち歩いていますが、コートの中にウィンドブレーカーを着ると空気の層が増えてとてもあたたかく感じました。
避難所は小学校でしたが夜は底冷えしたため1枚持っていて助かりました。家族も1枚ずつ常に持ち歩いていたので役立ちました。

私達はモンベルのものを着用しましたが1枚着るだけで本当に温かさが違うことを実感しました。

コンパクトに畳めます

4:薬類

胃薬・痛み止め・娘のアレルギーの薬・絆創膏などを持ち歩いています。
使うことはありませんでしたが、持っている安心感が強かったです。
※アレルギーの薬は娘も持ち歩いていますが、万が一のときのために私も持ち歩いています。

5:塩

これはとても意外なものに思われるかもしれません。
私もまさか震災で役に立つと思いませんでした。

私の著書「ご利益!参道めし」は東京23区の社寺をめぐり、その社寺にちなんだ美味しいものを食べ歩くという内容なのですが、授与所でいろいろなものを買うのも楽しみの一つでした。
そのうち、愛宕神社で購入した「お清めの塩」をお守りとして小袋に移して持ち歩いていました。

避難所で配給として白いごはんを頂きました。
頂けるだけでとてもありがたく美味しく頂戴しましたが、白いご飯のみ、でした。
こちらのお清めの塩は「体内に取り入れてもよい」と書かれていたことを思い出し、パラッとふりかけて食べてみました。

本当に、美味しかった!

6:ビニール袋・エコバック

ビニール袋は身の回りで出たゴミを集めたりなど意外と役に立ちました。
また、エコバックは配給があったときに頂いた水や食品などをまとめておいたりなど大変役立ちました。

7:紙の本・遊び道具

充電器は持っていましたが、充電が少なくなってしまっている方を優先していたので娘は自分のタブレットを使うのを極力控えていました。たまたまダイソーで買ったクイズ本を持っていたのでそれが大活躍。かなり長い時間楽しめていました。
数独などのパズルなどがあればもっと楽しかったかもしれませんが・・・。
ただ、電源の問題や通信環境の問題でスマホやタブレットが使えないことも十分に考えられますので、紙の本のありがたさというのをしみじみと感じました。

8:ウエットティッシュ

コロナ禍があったということもあり、各所に消毒用アルコールがたくさんあったので助かりましたが、手が汚れてしまったときやものを食べるときなどウェットティッシュがあるととても安心でした。

帰ってから確認・購入したもの

震災翌日、旅館の皆様のご尽力で金沢まで送っていただけました。
ただ、金沢からの新幹線チケットが取れず…金沢に2泊することになりましたがなんとか東京に帰り着くことが出来ました。

今回の経験で最も怖かったのはインフラの破壊です。

七尾市は長期間にわたって水道が止まっていました。
水が出ないということは飲水以外にもお風呂も使えず、トイレも使えません。
正確に言うと、トイレが流れません。

これは1日しか避難所にいなかった我々も大変に困ったことでしたので、地元の皆様は本当に本当に苦しい生活だったと思います。

1:簡易トイレ(見直し)

もともと家で備蓄品として用意をしていましたが、すぐに出せる場所に移しました。
我が家では50回利用できる分を備蓄しました。もっとあってもいいかもしれません。

2:ソーラーモバイルバッテリー(購入)

モバイルバッテリーはもともと持ち歩いていましたが、この震災を期に買い替えました。
大容量で、更に非常時には日光で充電できるタイプです。
日光での充電は大変時間がかかりますので慰め程度にしかなりませんが、本当の非常時には心強いと思い購入しました。電気が通らなかった場合、通信に必要な分の電力は確実に確保したいからです。
コンパスや懐中電灯もついていて非常時に安心なのと、入出力ポートがたくさんついているため様々なコードで使える仕様になっておりとても便利です。
機能の割には軽量なのも気に入りました。

3:充電ケーブル(購入)

3種類の端子(ライトニングiOS・Type-C・Micro USB)を搭載しているので、いざというときに様々な機器を充電できる安心感があります。

4: いざというときの行動を話し合う

地震のたびに家具の配置を見直そうというお知らせが出ます。
そんなの当たり前。家具は低いものに統一していて安心。と思っていました。
今回体験したことのない大きな地震に遭遇しましたが、高い家具が倒れるのは当たり前。
低い位置においてあるものは横にすっ飛んできました。
低いテレビ台の上にあった液晶テレビはコードがちぎられた状態で飛んできました。
小さな冷蔵庫も真横に飛び出してきました。

横開けのふすまは外れて落ちました。

家の中が安心とは限らないのです。
そのため、家の中にいるときにどこが一番安全なのか、地震が収まったあとの避難経路などを再度確認しました。
避難するときに持っていくと良いものも確認しました。

外にいるときに被害にあったらどうするか、近くの避難所にどうやって行くか。
ネットが繋がらないときにどうするかなどを改めて確認しました。

5:小銭を持つ

インフラに問題が発生した時。
キャッシュレスができなくなった時。
自動販売機で飲料を買うなど小銭があればできることもあります。

家族全員なるべく小銭を持つように心がけるようにしました。

他にも色々とありますが、また追記できればと思います。
震災関係に関しては私は旅行者の立場でしたので短い避難生活にはなりましたが本当に怖い経験でしたし、地元の皆様のことを思うと複雑です。復興を祈ることと折に触れて寄付をすることしかできませんが、こうして被害を少しでも少なくすること、また、私のように地元ではない場所で被災してしまったときにどうするかということを考えるきっかけになればと思い記事を描かせていただきました。

急いで書いたので読みにくく、更に長いですが…
少しでも防災の意識を持っていただけましたらと思います。
もちろん私ももっと防災に対する意識を高めていきたいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

漫画家・イラストレーター。 早稲田大学卒業後(株)三越勤務。結婚を機に退職した後ソニーに勤務。 エンターテインメントロボットAIBOのWEBサイトデザイン・制作を中心にWEB関連の業務を歴任。